伊豆高原七菜海の授業風景、
橋本先生との楽しい語らいと思い出の教室


橋本幸憲先生の授業

神奈川県藤沢の小学校に通学していた時(??年前)の
国語の授業が忘れられません。

いろはにほへと ちりぬるをわか
よたれそつねならむ うゐのおくやまけふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす




このいろはを教えてくれた橋本幸憲先生の授業。
今でも鮮明に覚えている授業光景、
「これは覚えておきなさい、大人になってから思い出すから」
「いつの日、いろはにを話す時がきたら、すらすら話せたら愉快痛快だよ」
先日家族で日光東照宮と華厳の滝までバスツアーに行ったとき、
日光いろは坂を通行している時に
??年前の橋本幸憲先生の顔と授業光景が鮮明に蘇ってきました。 

色は匂へど 散りぬるを
   我が世誰ぞ 常ならむ
 有為の奥山 今日越えて
   浅き夢見し 酔ひもせず

美しく咲き、照り映える花々はいつかは散ってしまうものだから
我々の生きるこの世でも誰がいつまでも生き続ける事などできようか
道も険しく迷いそうな深山に今日もまた分け入るような人生だから
浅はかな夢を追い求めたり夢に酔いしれたりももうするまい


四十七文字の仮名を使った涅槃経の一節を和訳したもの
平安時代末期
「涅槃経(ねはんきょう)」の

◎諸行無常
色は匂へど 散りぬるを
香りよく色美しく咲き誇っている花もやがては散ってしまう
 

◎是正滅法 
我が世誰そ 常ならむ
この世に生きる私たちとて、いつまでも生き続けられるものではない

◎生滅滅己 
有為の奥山 今日越えて
この無常の、有為転変の迷いの奥山を今乗り越えて

◎寂滅為楽を表したもの
浅き夢見じ 酔ひもせず
悟りの世界に至れば、もはや儚い夢を見ることなく
現象の仮相の世界に酔いしれることもない安らかな心境

このようなことを教えてくれた記憶があります。
橋本先生今もお元気でいらっしゃるかな?
あの大きな声と、豪放磊落な笑い声が忘れられません。



橋本先生の出身地、福岡県、ふる里九州の山を愛し歌った坊つがる賛歌





新体詩運動が起こり
文語調に代わって口語調で書き記そうという運動
藤村詩抄若菜集、一葉舟、夏舟、落梅集
初恋は、朝、椰子の実、千曲川旅情の愛唱歌

橋本先生が歌ってくれた島崎藤村作 初恋の歌を口ずさんでいた。



まだあげ初めし前髪の   林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の     花ある君と思ひけり

やさしく白き手をのべて  林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に       人こひ初めしはじめなり

わが心なきためいきの  その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を      君が情に酌みしかな

林檎畑の樹の下に    おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと 問ひたまふこそこひしけれ







先生曰く、人生の生き様はこうありたいと語っては本居宣長の句を詠んでいた。

敷島の  
    大和心を 人 問はば  
                朝日に匂ふ 山桜花 
     
                                 本居宣長


金色に 海せりあぐる 椿坂      橋本幸憲作


人生の最終章はこんな風に逝きたいものだよと語っていた

願わくば   
     花の下にて 春死なん  
                 その如月の 望月のころ    
                                   西行





伊豆の瞳とも呼ばれている一碧湖の風景と、橋本先生の好きなメロディが流れます。



橋本先生のふる里福岡県南区の檜原公園には素敵な桜のお話があります。

1984年昭和59年早春、道路拡張工事のため南区桧原の沿道の桜並木が
切り払われることになった。
それを惜しんだ住民が、和歌を詠んで桜の木に掲示した。

花守り 進藤市長殿

花あわれ
せめてはあと二旬
ついの開花を
ゆるし給え


これが西日本新聞に報道されるや、
多くの人たちが桜を惜しんで歌を木に下げた。その中に

桜花惜しむ
大和心のうるわしや
とわに匂わん
花の心は
   香瑞麻

香瑞麻は「かずま」進藤一馬市長の雅号であった。
このような多くの人々の思いが行政を動かし工事が変更され桧原の桜は残された。
福岡市民たちは進藤を「花守り市長」と呼んだ。

桜は現存しており周囲は公園として整備されている。
今でもこの公園の桜の前には市民や全国から訪れる人々歌が
短冊となって掲載されています。
この話は学校の教科書や、リーダースダイジェクトにも掲載された。



















大和心を詠った和歌

かくすれば  かくなるものと知りながら  やむにやまれぬ  大和魂   吉田松陰
身はたとひ  武蔵の野辺に朽ちぬとも  留め置かまし  大和魂    吉田松陰